(日本経済新聞)

【サンタフェ(アルゼンチン北部)=外山尚之】ブラジルやアルゼンチンなど南米4カ国で構成する南米南部共同市場(メルコスル)は首脳会議を開き、共通通貨の創設に向けた協議を進めていくことで一致した。自由貿易網の拡大と合わせ、域内の経済統合を進める。

メルコスル首脳会議に参加した各国首脳(17日、サンタフェ)

メルコスル首脳会議に参加した各国首脳(17日、サンタフェ)

17日に閉幕した首脳会議に合わせて実施した、財務相・中央銀行総裁会合で合意した。アルゼンチンのドゥホブネ財務相は「異なる国の間で共通通貨の創設に潜在的な利点があるか検討することを決めた」と説明した。「長期的な計画だ」としており、具体的なスケジュールは示さなかった。

メルコスルはブラジル・アルゼンチン・ウルグアイ・パラグアイの4カ国で構成し、人口は約2億6000万人、国内総生産(GDP)は約2兆4900億ドル(約270兆円)に達する。

ブラジルのボルソナロ大統領は6月、アルゼンチンのマクリ大統領との首脳会談に合わせ、共通通貨「レアル・ペソ」の創設に向け協議を開始していることを明らかにしていた。今回、同構想を4カ国に拡大した上で、一歩進めた形だ。

アルゼンチンでは昨年、米国の利上げ観測やトルコ・ショックを受け、通貨ペソの価値が対ドルで半減。景気低迷の要因となっている。ブラジルも通貨の不安定な動きが問題となっており、共通通貨構想が浮上するきっかけとなった。

メルコスルは6月に欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)交渉で政治合意するなど、開放経済への転換と地域経済の統合を推進している。17日に発表された首脳宣言では「経済と社会の発展に貢献するため、地域の統合を深める」との文言が盛り込まれた。