(産経ニュース)

【ブエノスアイレス=塩原永久】日米欧に新興国を加えた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が19日、2日間の日程でアルゼンチン・ブエノスアイレスで開幕した。初日は経済問題を中心に議論。トランプ米政権が鉄鋼・アルミニウムへの輸入制限を打ち出す中、保護主義的な貿易政策への反対意見が多数の国から表明された。

木原稔・財務副大臣は終了後に記者会見し、討議の中で「保護主義的な措置による内向きな政策は世界経済全体の縮小につながる」と発言したことを明らかにした。参加国から出された意見は「保護主義に対する反対が圧倒的に多かった」(財務省同行筋)という。

木原氏はまた、北朝鮮の脅威が世界経済に影響を及ぼす可能性のある「地政学リスク」だと指摘した。

トランプ米政権は23日に鉄鋼・アルミの輸入品に対する関税を発動する。G20の参加国内では懸念が深まっており、ロイター通信によると、欧州連合(EU)のモスコビシ欧州委員は19日、ブエノスアイレス市内で「保護主義は解決策ではないと共同声明で示せると期待している」と述べた。

一方、ムニューシン米財務長官は19日の声明で「G20への出席は、米企業が他国と公平に競争できるようにするというトランプ政権の課題を果たすためだ」と指摘。「米国第一」を掲げる姿勢を強調した。

日銀の黒田東彦総裁は開幕前、「保護主義が世界に広がるとは思っていない」と語った。

マネーロンダリング(資金洗浄)などへの悪用が懸念される仮想通貨は20日に討論される予定。規制の手法をめぐり、各国で「共通の考え方について合意に至っていない」(ロイター)とみられ、参加国が意見の隔たりを埋められるかどうかは不透明だ。

 

(日本経済新聞)

【ブエノスアイレス=鳳山太成】日米欧と新興国による20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が19日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開幕した。トランプ米政権による鉄鋼への輸入制限が23日に迫るなか、貿易問題が主要議題となった。堅調な世界経済の重荷となる恐れがあるだけに、保護主義的な政策への懸念や再考を求める声が相次いだ。

トランプ大統領が鉄鋼とアルミニウムへの輸入制限を8日に正式発表して以降、主要国の閣僚が一堂に会するのは初めて。20日午後(日本時間21日午前)に共同声明を採択して閉幕する。

ムニューシン米財務長官は会議に先立ち「米国の企業と労働者のために競争条件を公平にするというトランプ政権の経済政策を進めることに焦点を当てる」と強調。輸入制限の正当性を各国に訴える姿勢を示した。

米輸入制限の発動を23日に控え、各国は米国に直接懸念を伝えた。ムニューシン氏は、韓国の金東兗(キム・ドンヨン)経済副首相と個別に会談した。聯合ニュースによると、韓国側は鉄鋼が米国の安全保障の脅威になっていないとして対象外とするよう要請した。アルゼンチンのドゥホブネ財務相もムニューシン氏との会談で同様に除外を求めた。これまでに日本や欧州も適用除外を求めているが、米国は明確な返答を控えている。

ブラジル中央銀行のゴールドファイン総裁は19日、トランプ政権の保護主義について「世界の国々のみならず、米国にも影響する」と警告した。ブラジルは米国の鉄鋼輸入相手国でカナダに次いで2番目に多い。

欧州連合(EU)や中国は関税が発動されれば対抗措置を打ち出す構えをみせている。米国発の貿易戦争に発展すれば、世界経済の足かせとなりかねない。日銀の黒田東彦総裁は19日、会議に先立ち「保護主義が世界に広がるとは考えていない。ただ世界に影響を与えるので動向を注視していきたい」と述べた。

2017年7月のG20首脳会議では貿易について「保護主義と引き続き闘う」としつつも、米国の要請で「正当な貿易防衛制度の役割を認める」との文言を盛り込んだ。各国は今回の声明でも同様の文言を改めて明記する方向で調整している。

今回のG20会議では仮想通貨を初めて取り上げる。消費者保護やマネーロンダリング(資金洗浄)対策などについて話し合う。

(朝日新聞)

[ブエノスアイレス 19日 ロイター] - アルゼンチンのブエノスアイレスで19日開幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、ムニューシン米財務相はトランプ政権が「互恵的な条件の自由貿易」を重視していることを明確にする方針。財務省高官が明らかにした。

この高官は、財務省として自由貿易を信じるトランプ大統領の確固たる見解を示すことに疑いはないとする一方、「システムを機能させるために米国が自国の国益を二の次にすると期待させている現状は、受け入れられないものだ」と指摘。その上で、「より均衡の取れた通商関係につながる互恵的条件の自由貿易を信じると明確にしている」と述べた。

また、貿易に関してG20コミュニケにどういう文言が盛り込まれるかについては現時点でコメントできないとし、ムニューシン氏にとって重要なのは「各国との対話だ」と述べた。

投稿者 荒尾保一