アルゼンチン情報

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潜水艦事故 生存者捜索は打ち切り
2017/12/01

(時事通信)
 【サンパウロ時事】アルゼンチン海軍の44人乗りの潜水艦「サンフアン」が南大西洋沖で15日朝から消息を絶っている問題で、海軍スポークスマンは30日、「乗組員の救出が可能な日数の倍以上が過ぎた」として、生存者の捜索を打ち切ったことを明らかにした。
 サンフアン内部には1週間分の酸素が残されていたと見積もられているが、既に15日が経過。さらに、最後の連絡から約3時間後に水素によるとみられる艦内爆発があった可能性が高く、乗組員の生存は絶望と判断した。今後は沈没したとみられる艦の位置特定作業を進める。
投稿者 荒尾保一

S&P格付けのフライジャル5は脆弱か
2017/12/01

(sankeiBiz)
 
  米格付け会社S&Pグローバル・レーティングは11月初め、世界の金融環境正常化に影響されやすい、新たな「フラジャイル・ファイブ(脆弱(ぜいじゃく)な5カ国)」としてトルコ、アルゼンチン、パキスタン、エジプト、カタールを挙げた。しかし、これらの国の債券には、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント、Tロウ・プライス・グループ、ブラックロックなど資産運用大手各社が投資しており、投資リスクについての評価が真っ向から対立した形だ。

 新たなフラジャイル・ファイブについて、実際のところ脆弱ではないと世界有数の運用担当者が指摘する。

 ゴールドマン新興市場債券チームの約450億ドル(約5兆円)の運用に携わるアンガス・ベル氏は「衝撃への国の対応能力は現在、過去数年のどの時期よりも間違いなくあるだろう」との見方を示した。同氏はアルゼンチンとトルコのハードカレンシー(国際決済通貨)建て債券、エジプトの自国通貨建て債券をオーバーウエート(投資比率を基準より高く配分すること)にしている。ルイス・オガネス氏率いるJPモルガン・チェースのアナリストもリポートで、新興国は市場の動揺に2013年と比べ「はるかに影響されづらくなっている」と指摘した。

 ゴールドマンのベル氏は、アルゼンチンとエジプトを筆頭にフラジャイル・ファイブの大半の国について長期的には好ましい方向に進むとみている。アルゼンチンは比較的低い債務水準やマクリ大統領の下で改革意欲が高まっていることを評価。エジプトは痛みを伴う経済的な調整を経たが、マクロ経済の安定回復が見込まれることを挙げた。1カ月物インプライドボラティリティー(IV)が示す投資家の不安感が新興国のうち過去3カ月で最も高まったトルコも基礎的な債務の動向は「全く懸念でない」とベル氏は述べた。

 人々の関心を引きやすいキャッチコピーが、実際には当てにならず米金融業界が判断を誤った例は過去に少なくない。ゴールドマン・サックスのエコノミストだったジム・オニール氏が今後10年間の世界経済の成長を牽引(けんいん)していく存在として初めてBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)を唱えたのは01年。だが同年は新興国株式を売るべき時だった。

 PIGS(ポルトガル、アイルランド、ギリシャ、スペイン)が紹介された10年にこれらの債券を買っておけば、かなりのリターンが生まれたはずだ。

 モルガン・スタンレーが13年に初めてフラジャイル・ファイブという言葉を使い出したときも、正解は新興国資産の買いだった。(ブルームバーグ Ben Bartenstein)

投稿者 荒尾保一

潜水艦に爆発音 安否絶望視
2017/11/26

アルゼンチン海軍は23日、乗組員44人を乗せたまま今月15日から消息を絶っている潜水艦「サンフアン」の捜索をめぐり、関連が疑われる爆発のような音が検知されていたと発表した。乗組員たちの安否は絶望視されている。
核実験を監視するウィーンの包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)は先週、「異常な1回限りの、短く、激しい、核活動ではない事象」を南大西洋で検知していた。米国も同じ場所で大きな音を探知していた。
知らせを受けて、行方不明の乗組員の家族は悲しみと怒りに包まれた。
潜水艦の捜索には、米国やロシア、英国など十数カ国が参加している。
爆発音の検知
アルゼンチン海軍の報道官エンリケ・バルビ大佐は、CTBTOから23日に爆発音の検知について連絡を受けたと語った。
発表文によると、CTBTOは水中音波の観測所2カ所で「水中衝撃の事象」による信号を検知したという。
アルゼンチン海軍は22日に、「異常な水中音波」が検知されたとの連絡を米国から受け取っていた。
バルビ大佐は、爆発と疑われる事象は最後に確認された潜水艦の位置の近くで起きたと語った。同大佐は、場所は分かっているが原因は不明で、捜索活動は当該海域を中心に進められると述べた。
家族の反応
マルデルプラタの海軍基地に集まっていた家族には、バルビ大佐が報道陣に発表する直前に伝えられた。報道によると、一部には大佐に怒って抗議する家族もいたが、他の人々は泣き崩れていたという。
家族は海軍が嘘をつき偽りの希望を抱かせたと非難。不十分な投資や軍の汚職によって潜水艦の安全が損なわれたとして政府を責任を問う声も出た。
地元紙クラリンの報道によると、サンフアン乗組員のきょうだいの男性は、「あいつらはきょうだいを殺した、くそ野郎。針金で(壊れないように縛った潜水艦で)航海に出させたから、死んでしまったんだ」と叫んだという。
息子のダミアンさんが乗組員だと話すルイス・タグリアピエトラさんはラジオ局「カット」に対し、水深200メートルで起きた爆発で乗組員は死亡したと海軍に言われたと語った。
バルビ大佐は22日に潜水艦の酸素がなくなると述べていた。
サンフアンは南米最南端に近いウシュアイアでの定期的な任務を終えて基地に戻る途中に、「電気系統が故障」と報告した。
ガブリエル・ガレアッシ海軍大佐によると、サンフアンは水面に上昇し故障を報告。大佐は、電池が「ショート」したと話した。
投稿者 荒尾保一

アルゼンチン潜水艦(続報)
2017/11/21

(朝日新聞)
 南米アルゼンチン海軍の潜水艦が同国南東沖を航行中に消息を絶ち、軍が米国や近隣諸国の協力を得ながら捜索を続けている。潜水艦には乗員44人が乗っており、15日午前を最後に連絡が取れなくなった。最後の交信が確認された海域を中心に空と海から捜索が続けられているが、強風や高波の影響で難航している。

 消息を絶ったのはドイツ製の潜水艦「サンフアン」で、アルゼンチン海軍が所有する3隻のうちの1隻。報道によると、南米大陸南端のウシュアイアから同国中部マルデルプラタに帰港する途中、アルゼンチン沖432キロの大西洋上で確認されたのを最後に連絡が取れなくなった。17日夜になって海軍が発表した。

 海軍は18日に7回にわたって複数の基地に救難信号が送られた形跡を確認しており、不明になっている潜水艦から送られたとみて発信元の確認を急いでいる。電気系統の故障などで、通信や航行に問題が起きている可能性があるという。

 これまでに米国やブラジル、チリなどが船や航空機を投入して捜索に協力。今後は海上だけでなく、海中での捜索にも力を入れる方針だ。アルゼンチンのマクリ大統領は18日、ツイッターで「一国も早い発見のため、あらゆる手段を尽くす」と表明した。(サンパウロ=田村剛)

投稿者 荒尾保一

アルゼンチン潜水艦連絡とれず
2017/11/18

【11月18日 AFP】アルゼンチン海軍は17日、44人が乗り込んで母港に戻る途中だった潜水艦「サンフアン(ARA San Juan)」と連絡が途絶えたため捜索していると発表した。

 サンフアンは通常動力型のドイツ製TR1700型潜水艦。南米最南端に近いウスアイア(Ushuaia)で通常任務を行い、首都ブエノスアイレスから南に約400キロにある母港マルデルプラタ(Mar del Plata)に帰還する途中で消息を絶った。アルゼンチン海軍のエンリケ・バルビ(Enrique Balbi)報道官によると、サンフアンは10日前、マルデルプラタからウスアイアに向かい、同地に3日滞在した後、母港に向けて出港していた。


 バルビ氏は記者会見で、サンフアンは15日朝を最後に海軍司令部との連絡を絶ったと述べた。アルゼンチン当局によると16日から海軍の駆逐艦1隻とコルベット艦2隻、航空機2機が捜索を行っている。

 サンフアンと最後に連絡が取れたバルデス(Valdez)半島の南東約430キロ付近の海域を捜索したが、夜間で悪天候だったこともあり手掛かりは見つからなかったという。

 サンフアンに搭載された非常時に無線信号を発信する装置は作動していない。火災が起きたとの報道もあるが、海軍はこれを否定した。バルビ氏は「私はこの件を劇的に表現することを望まない。連絡が途絶え、何が起きたのか分かっていないということだ」と述べた。バルビ氏は「バッテリーに問題が生じたのかもしれない。動力の問題かもしれない」と述べ、もし動力関連の問題ならば潜水艦は浮上することになっていると説明した。

 サンフアンにはアルゼンチン初の女性潜水艦将校となったエリアナ・クラフチック(Eliana Krawczyk)さん(35)も乗り込んでいる。クラフチックさんの父親のエドゥアルドさんはテレビ局「トド・ノティシアス(Todo Noticias)」に「乗組員全員が無事であることを祈らせてください。海において乗組員はみなきょうだいです。潜水艦は(通常の)船よりもリスクが高い」と語った。

 アルゼンチン外務省によると、米国、英国、チリが「今回の人道的捜索でのロジスティクスの支援と情報交換」を申し出た。

 サンフアンはアルゼンチンが保有する3隻の潜水艦の中の1隻で、全長約65メートル、全幅約7メートル。ドイツ企業ティッセン・ノルトゼーウェルケ(Thyssen Nordseewerke )製で1983年に竣工し、2007年と2014年に耐用年数を約30年延ばすための改修を受けた。(c)AFP

投稿者 荒尾保一

VW 740億円投資
2017/11/14

 (日本経済新聞)
【リオデジャネイロ=外山尚之】独フォルクスワーゲン(VW)はアルゼンチンで生産能力を増強する。5億6000万ユーロ(約740億円)を投じ、2020年から小型多目的スポーツ車(SUV)の新車種を生産する。アルゼンチンでは開放路線を掲げるマクリ大統領の下、自動車産業への投資が相次いでいる。VWはアルゼンチンを南米大陸内の主要生産拠点として位置づけ、南米でのシェア向上につなげる。

VWが投資を表明したイベントには、アルゼンチンのマクリ大統領も出席した(10日、ブエノスアイレス州)


 ブエノスアイレス郊外のパチェコ工場で10日に開いたイベントで発表した。VWの乗用車部門トップのヘルベルト・ディース取締役は「25年までの経営計画において、南米とアルゼンチンは重要な役割を果たす」と発言。新車種の生産台数などは明らかにしなかったが、同工場で製造したSUVを南米各国に輸出する計画を公表するなど、増産を示唆した。

 同イベントにはマクリ大統領も出席。VWの投資が雇用増加に貢献すると称賛した上で「我々はどうやって自動車産業を強化できるか自身に問いかけている」と自動車産業の振興策に言及。マクリ政権は昨年に約47万台だった自動車生産台数を100万台に引き上げる目標を掲げており、世界中の自動車メーカーが投資を表明している。
 ドイツVolkswagen社は2017年11月11日、アルゼンチンのPacheco工場に今後5年間で5億6000万ユーロを投資すると発表した。設備を刷新し、製造プロセスを近代化することで、品質と持続可能性の両方を向上させる。同工場では2020年から南米市場向けに開発した新型SUVを生産する予定。

 (日経テクノロジー)

 ドイツVolkswagen社は2017年11月11日、アルゼンチンのPacheco工場に今後5年間で5億6000万ユーロを投資すると発表した。設備を刷新し、製造プロセスを近代化することで、品質と持続可能性の両方を向上させる。同工場では2020年から南米市場向けに開発した新型SUVを生産する予定。

 同社は経営戦略「Transform 2025+」により、国際市場でのブランドの成長を目指している。ドイツ本社の集中管理から、各地域にビジネス活動の責任や意思決定権を移行する方針だ。

 南米市場には20車種の新型車を投入する計画で、すべて「MQB(横置きエンジン車用モジュールマトリックス)」をベースにする。Pacheco工場で生産する新型SUVもその一つだが、車のサイズやデザイン、機能などは南米の顧客のニーズに合わせてカスタマイズされる。



投稿者 荒尾保一

マクリ大統領NY訪問
2017/11/09

(ブルームバーグ情報)
アルゼンチンが目指す野心的な改革プランは今後数年の世界的な債券市場動向に対し脆弱(ぜいじゃく)だとの認識をマクリ大統領がブルームバーグ・ニュースに示した。同大統領はこれまで改革を成し遂げるため再選を目指すとの明確な意思表示はしていない。
  マクリ大統領は7日のインタビューで、2桁台のインフレ率を押し下げ、実体経済への投資を敬遠させている労働コストを削減するには時間がかかるだろうと述べた。
  S&Pグローバル・レーティングは6日、金融環境悪化の場合、最もリスクの大きい5カ国としてトルコとパキスタン、エジプト、カタールと共にアルゼンチンを挙げた。
  マクリ大統領(58)はアルゼンチンの厳しい立場を認め、「われわれは資金調達の必要があるため、脆弱だ。それを否定するのは愚かだ」と言明。その上で「全ての他国と比べ、わが国にはベストの潜在力ある。国民が引き続き私に国政を託すことを望めば、続投する用意はある」と語った。次の大統領選挙は2019年。
  10月のアルゼンチン議会中間選挙では与党連合カンビエモスが勝利。これを受け、同大統領は改革第2弾の着手に向け投資家と話し合うためニューヨークを訪れた。
  アルゼンチンの中央銀行は11月7日、予想外の利上げを発表。政策金利を1ポイント引き上げ、1カ月足らずで2度目の利上げとなった。マクリ大統領はインフレ率が18年末までに15%に低下するとの予想を示した。中銀の目標は8−12%。


投稿者 荒尾保一

上記記事は抜粋のため原文とかなり異なっています。
原文は次の通りです。
https://www.bloomberg.com/politics/articles/2017-11-08/argentina-at-mercy-of-debt-markets-to-fund-reforms-macri-says

ニューヨークテロでアルッゼンチン人5人が死亡
2017/11/02

 10月31日、ニューヨークで、ピックアップトラックで自転車利用者や歩行者に突っ込んだテロ事件で8人の死亡者がでたが、そのうち5人がアルゼンチン人であった。この5人は、ロサリオのPolitecnico校の卒業生で卒業30周年の記念の同窓会のためミューヨークへ旅行していた途中であった。
 米トランプ大統領は、亜マクリ大統領にただちに電話してお悔やみを述べた。また、ティラーソン国務長官もファウリエ外相に電話するとともに、在ブエノスアイレス米大使館は、半旗を掲げた。
 マクリ大統領は、ファウリエ外相、カプート金融相等とともに、6日よりニューヨークを訪れ、投資及び貿易に関する会議に出席する予定であるが、その機会に死亡した5人への弔意を表する予定である。

投稿者 荒尾保一

マクリ大統領新経済政策を発表)
2017/10/31

(日本経済新聞)
 【サンパウロ=外山尚之】アルゼンチンのマクリ大統領は30日、新たな経済改革案を発表した。対象は労働法や年金、税制など多岐にわたっており、左派政権下で低下していた国際競争力や財政の持続可能性の向上に力を入れる。国民からの反発が予想されるテーマだが、同氏が率いる与党が選挙で大勝したことで今後の議会運営を強気に進められると判断した。

 マクリ氏はブエノスアイレスで開かれたイベントに登壇し、与野党議員や司法関係者、経済界、労働組合などの代表者らを前に「我々は改革を前に進めなければならない」と演説した。労働者に有利な裁判制度の見直しや持続可能な年金制度の構築、複雑な税制度の改正などに言及した。

 2015年12月に左派政権からの政権交代で大統領に就任したマクリ氏は公共料金への補助金の削減や為替取引の規制撤廃などを進めた。一方、労働組合からの反発が大きい労働や年金制度の改革についてはこれまで正面から採り上げることを避けてきた。

 今回、マクリ氏が強気の姿勢を見せるのは、22日の議会選で改革推進を掲げる与党が勝利したからだ。マクリ氏率いる与党は上院・下院とも過半数に達していないものの、野党の左派勢力の弱体化は明白。マクリ氏は議会に改革案を提出すると明言しており、今後、改革に前向きな野党議員の取り込みを進める。

 同国のレドラド元中銀総裁は日本経済新聞の取材に対し「マクリ政権は左派政権下で生じた社会のゆがみをなくそうとしている」と評価する。改革の推進により民間企業の競争力が増すとし、「農業やエネルギー、通信や銀行、建設など様々な分野で投資の機会が生まれる」と指摘した。

 米格付け大手S&Pグローバルは30日、アルゼンチンの長期債務格付けを「Bプラス」に1段階格上げした。依然として「投機的」と分類される水準ながら、「より高い投資と良い経済政策の見通しが適切に続く」としている。

投稿者 荒尾保一

(注)本件については、現地紙も大きく報じており、財政赤字を削減するため、年金制度の改革や電気ガス料金の引き上げ、バス運賃の引き上げ等が行われることが予想されている。)

アルゼンチン中間選挙で与党勝利
2017/10/24

(日本経済新聞)

【ブエノスアイレス=外山尚之】アルゼンチンで22日、議会選挙(上下両院を部分改選)の投開票が行われ、中道右派のマクリ大統領率いる与党が議席を増やした。左派のフェルナンデス前大統領は現政権の改革路線に反対し自ら上院議員選に出馬したが敗北。左派勢力の退潮はベネズエラやブラジルでも鮮明で、2000年代初めから南米大陸を席巻した左派ポピュリズム(大衆迎合主義)の時代が終幕を迎えつつある。

 「我々は歴史を変える世代だ」――。22日深夜、与党「カンビエモス(変えよう)」の集会に集まった支持者を前に、マクリ氏は高揚した表情で呼びかけた。15年12月の大統領就任後、今回の選挙は中間審判としての性格が強い。与党勝利を受け、会場は割れんばかりの歓声で包まれた。

 与党の得票率は40%を超え、獲得議席数で首位となることが確定した。

 一方、大統領選での敗北からの再起を期したフェルナンデス陣営には大きな痛手となった。同氏は左派政党「市民連合」を立ち上げ、自ら上院選に出馬。政権批判票を集め19年の大統領選に備える算段だったが、政党得票率は与党に2倍近い差をつけられ、自身も与党候補に4ポイントの差をつけられて敗北。「敵を乗り越えられなかった」と言葉を詰まらせながらの敗北宣言となった。

 勝利を収めたマクリ氏だが、ここまでの道は平たんではなかった。就任早々に取り組んだ公共料金への補助金の削減は低所得者層から反発を招き、為替取引の規制撤廃は通貨安で年率40%を超えるインフレを招いた。海外直接投資も伸びず、就任直後に70%あった支持率は一時30%近くまで落ち込んだ。

 現在もインフレ率は20%を超え、国民からは政権交代による恩恵より負担の方が大きいとの不満は根強い。ただ、海外企業による投資計画など明るい話題も増え、将来への期待感が大衆迎合的な政策を掲げる左派への票の回帰を防いだ。

 左派陣営のポピュリズムが通用しなくなった背景として、資源価格下落で財源の裏付けがなくなったことが挙げられる。2000年代に南米各国で誕生した左派政権には資源価格の高騰という追い風があったが、現在の市況では再現は難しい。

 隣国ブラジルでも左派の衰退が鮮明だ。16年まで政権を担っていた労働党(PT)だが、ルラ元大統領ら主要幹部の汚職への関与が発覚し、党勢は失速。ルラ氏は18年の大統領選勝利で逃げ切りを狙うが、既に一審で有罪判決を受けており、二審で有罪が確定すれば出馬自体が不可能となる。

 ベネズエラはポピュリズム政策の限界を露呈している。原油売却で得た富を国民にばらまく政策を展開したが、原油価格の急落で食料品や医薬品すら輸入できず、国内から周辺国へ難民が流出する事態となっている。

 マドゥロ政権は国民から退陣を要求されたが、軍や裁判所の力を乱用して独裁体制を確立。15日に投開票された地方知事選では不正選挙が疑われるが、強引に幕引きを図ろうとしている。

 これらの国々を横目にいち早く大衆迎合政策からの脱却を進めるアルゼンチンだが、サンパウロ大学のフェルドマン教授は「インフレ対策や税制改革、製造業の近代化などマクリ政権が取り組むべき課題は多い」と分析する。マクリ氏は議会選勝利で一息つく間もなく、次期大統領選に向けて引き続きポピュリズム時代の負の遺産の処理に向き合うことになる。

投稿者 荒尾保一

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